被災地の犬事情

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ドッグトレーナーのお仕事

タイトル

被災地の犬事情

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本題

昨日は、森山が被災地入りしたお話をしました。


被災地の現状はまだまだ悲惨です。


私達SAVE THE PETチームは炊き出しとペットの
相談を行ったのですが、人の現状は昨日
書かせていただきました。


今日は被災地のペット(犬)事情を見てきた
範囲でご紹介します。


SAVE THE PETは今回は炊き出しチームとペットチーム
に分かれていました。


ペットチームはいつも元気なビジョンズの廣瀬さん
アカデミーでペットマサージの講師も
してくださっている大坪先生

ペットのリフレクソロジー、ワンズパパの奥村さん
そして森山とアカデミーの生徒の二村さん、芦山さん
が中心になってしつけ相談やマッサージ、ペットと
飼い主さんの心のケアーに当たりました。


森山が担当した飼い主さんのお話ですが、
被災した再に、すぐに自宅に戻れると思っていたので
10歳の柴犬を家に置いたまま
避難をされたそうです。


家の周りにはあまり民家が無く、その子は番犬として

とても優秀な子だったそうです。


すぐに家に帰れると思ったら、家とは遠く離れた
避難所生活になってしまい、置いてきた柴犬
のことがいつも頭から離れなかったそうです。


息子さんがたまに餌をやりに戻っていたそうですが、
行くたびに痩せていく年老いた愛犬を見るのが

忍びなかったそうです。


水を与え、餌を大量に地面にまき、家族も誰も
いない家に1人(1頭)残してくるのだそうです。


そのお話をしてくださっているとき、飼い主さんの
目から大粒の涙が流れ落ち、森山は
「泣いてはいけない」と思っていたのですが、
その光景を想像してしまうと不覚ながら自分の
涙を止めることができませんでした。


その子は、番犬としては優秀な子だったのですが、
人が触ろうとすると噛みつき、人影が見えたり
犬が家の前を通るとかなり吠えていたそうです。


幸いに避難所のそばに一軒家が
借りられたらしいのですが、周りは民家が密集
していて、その子を連れてきたらおそらく近所の方に
迷惑が掛かるので避難所にも新しい家にも
連れてこれないと仰っていました。


10年も一緒に寄り添ってきた家族を残して
避難生活を送らなければならない心情を想像すると
本当に本当に心が痛みます。


その他にも大勢の方のお話を伺いましたが、本当に
悲惨な状況です。


膨大な情報ですので、いつか時を見て書きますね。


避難所にも犬達がいますが、建物の中は人間の
スペースですので犬は入れません。


犬達は建物の裏にテントを立て、ケイジを2段に
積み上げてその中に入っています。


東北とはいえ、6月半ばは結構暑くなります。


私達が伺った日は午前中は雨でしたが午後からは
日が差し、テントの中は結構暑くなっていました。


これから夏に向け、どうなるのか不安です。


殆どの犬達はテントの中に入るのですが、他の犬と
気が合わない犬はテントの外にいます。


東北の犬は外飼いが多いと聞きますから大丈夫
なのかもしれませんが、軒下とはいえ雨風に
さらされ狭いケイジに入りっぱなしです。


駐車場につながれている犬達もいました。


飼い主さんが一緒に車に寝泊りしているそうです。


森山は新潟の震災のときも被災した犬たちの
お手伝いに行きました。


そのときに新潟の犬達はハウスに入った経験が
無いので東京からサークルを大量に持ていって
1頭1頭大きなサークルで居場所を作りました。


そんな経験から森山はもし、仮に関東大震災が
あった場合、ハウストレーニングが
できていない子はもの凄くストレスを
溜めますから「ハウストレーニングは必須です」
と言う話を普段から口を酸っぱくして
言ってきました。


現に今回の被災地でもケイジを2回も破壊して
脱走した子がいるそうです。

脱走までしなくても、ストレスでずっと
吠え続けている子もいました。

それと社会化の大切さ。

他の子を怖がったり、人に噛みついてしまう子は
どうしても集団生活の中には入れません。

今回のご相談でも社会化不足の子が沢山いました。

人が触ろうとすると噛もうとしたり犬が近づくと
唸って吠えてしまう子がいました。

あの状態では集団生活の中で暮らしていくのは
本当に大変でしょう。

飼い主さんも大変ですが、当の犬が一番ストレスを
感じてしまいます。

ですから小さいときから色々な犬に馴らしたり、
人に馴らしたりする必要があるのです。

森山は10年以上前からパピーパーティーを行い
その後、パピーナーサリー(子犬の保育園)を始め
子犬の社会化の大切さを世に訴えてきました。


今回の震災ボランティアに参加して、改めて
子犬の社会化の大切さを痛切しました。


人も犬もですが、現実的に目の前にそのような
光景を目にした森山は時間が許せばまた現地入りし、
少しでも被災地の皆さんのお役に立てればと
思っています。


被災地の復興はまだまだ始まってもいません。


私達はその事実を忘れずに日本人として共に
歩んでいく必要があると思っています。


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