現金な動物

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本文

森山の愛犬ボイシー君がパットの皮をずる剥いて病院に
行ってから数日経ちます。

普段のボイシー君の散歩は多摩川のグランドでボール投げ
をします。

しかし、現在のボイシー君、足に包帯を巻いた状態では
ボール投げはできません。

ですので、草むらの中にボールを投げ込みそれを探させる
運動をしています。

ボール投げのように激しく走ることはないのでパットに
それほど負担はかかりません。

それにしても包帯が破れてきます。

じゃあ、ボール草むらの中に投げ込むのもやらなければ
いいのにと思うのですが・・・・

随分前ですが、ボイシーは前足を痛めたことがあります。

その時はかなり激しく痛めたので前脚を上げてけんけんで
歩いていました。

当然、ボール投げなんかできるはずもありません。

軽くお散歩をして排泄を済ませたらすぐにお家に帰る
と言う毎日です。

だいぶ足をつくようになってきても慎重にボール投げは
控えていました。

そうしたら何が起こったと思います？

呼び戻しが効かなくなったのです。

ボイシー君の呼び戻しは自慢じゃないですがほぼ完ぺきです。

犬がいても匂いを嗅いでいても呼べば戻ってきます。

しかし、そのボイシー君がボール投げをしなくなったら
ほんの１週間ぐらいで戻ってこなくなったのです。

にわかに信じられませんでした。

確かに散歩のときは戻ってきたらご褒美にボールを投げて
あげていました。

「おー完璧じゃん」と思っていたのです。

ボイシーと森山の絆はちょっとやそっとでは崩れる事は
無い！！と思っていたのです。

それが、ボールをなげて貰えないとなった途端に無視を
するようになったのです。

そのとき森山は思いました「犬って現金な動物だな～」
と・・・

自分に都合の良いことが起こらないと途端にその行動を
やらなくなるのです。

森山とボイシーの絆は鉄よりも固いと思っていたのですが
ボイシーは森山ではなくボールと絆を結んでいたのです。

しかし、考えてみれば当たり前です。

簡単に言えば犬は自分に都合の良いことが起きればその
行動をくり返します。

自分にとって嫌なことが起きればそれを避けようとします。

そうやって学習をしていくのです。

ですからボールを投げてくれない森山なんかクリープの
入っていない珈琲のようなもの・・・（分かるかな～）

動物の学習理論上は行動が消去されるのです。

ですから今回はパットに負担にならない程度にボール遊び
を取り入れているのです。

おかげでボイシー君、呼び戻しばっちりです。

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プレイボゥドッグトレーナーズアカデミー校長

ガンドッグレトリーブトライアル協会会長

日本APDT事業企画委員

英国APDT公認ドッグトレーナー

米国CPDT公認ドッグトレーナー

森山　敏彦

犬と一生一緒宣言

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それが当たり前の社会であって欲しいですね。

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