ショート小説【柴いイヌそらの冒険5】

貴方の想いで日本の犬達の殺処分を0に
近づけましょう

プレイボゥドッグトレーナーズアカデミー校長
森山 敏彦

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ドッグトレーナーのお仕事

タイトル

ショート小説【柴犬「そら」の冒険5】

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本文

僕の名前はそら

柴犬の男の子

どうやら僕はお母さんに捨てられたらしい。

昨日、僕は保健所に連れてこられた。

何故・・・お母さん、何故僕を捨てたの?

僕は自分の食べ物を守れるぐらい強くなったし、
ゴールデンレトリバーをやっつけられるぐらい
大人になったんだよ!

なのに何故、お母さんは僕を捨てたの?

保健所では迷子の犬たちは一週間、鉄格子の
中にいるらしい。

でも飼い主が現れないと殺処分なんだって。

飼い主の手で連れてこられたイヌは飼い主が
現れるはずがないから次の日に殺処分
されるんだって

僕は今日、殺処分される。

お母さん、短い犬生だったけど、お母さんと
一緒で楽しかったよ。

恨んでなんかいないよ。

母さん、今まで有難う。

おや、女性が入ってきたぞ。

なにやら職員の人と相談している。

どうしたんだろう?

え、僕を指差しているぞ。

ついに処分の順番が来たのかな。

僕は違う部屋に連れられていった。

優しそうな女性が僕を待っていた。

おいしそうなおやつを僕に差し出している。

この世の最後に美味しい物を食べさせて
くれるのかな。

女性は僕に触り始めた。

女性だったら怖くないし、優しくお腹や頭を
撫ぜてくれるからいい気持ちになってきた。

この人はお母さんのように優しい。

リードを着けてどこかに僕を連れていくらしい。

あ、車だ。

車でどこに行くの?

僕はケージに入れられ車に乗せられた。

しばらく走ると、車が止まった。

保健所から、そう遠くはない。

お母さんの家とは違うけど、普通の家に
着いた。

うわ、ここにもイヌがいるよ、ちっちゃい
犬たちだから何とか平気だけど。

トイプードル、チワワ、ミニチュアダックス

全部で3頭の犬たち。

どれも人気の犬種たちだね。

犬たちの話だと、みんな保健所に捨てられたけど
ここのお母さんに助けられたんだって。

そうか、僕はこのお母さんに助けられたんだ。

このお母さんみたいに保健所に捨てられたイヌを
助け出して、新しい飼い主さんを見つける
人たちのことを里親ボランティアって言うらしい。

人気がある犬種はブームで飼う人が多いけど
飼い方が分からなくて、困り果てて保健所に
捨てる人が多いらしい。

人間って身勝手だね。

自分達の都合で犬を飼って、いらなくなったら
捨てる。

イヌだて人間と同じ命があるんだよ!

子犬の時に必要な社会化をしていないと僕みたいに
とっても怖がりな飼いづらい犬になって
しまうこともある。

毎日お散歩は必要だし、ちゃんと人間社会の
ルールを教えてもらわなければイヌ社会のルール
で生きようとする。

イヌが吠えるのは怖かったり、寂しかったり
したときに自分の気持ちを伝えようとしている
だけなんだから、無駄に吠えているわけじゃない。

自分の食べ物を奪われそうになったら攻撃してでも
守るのはイヌの行動では当たり前だし、

リードを引っ張るのは人間と歩く速度が違う
からしょうがないし、何よりもイヌは匂いが
嗅ぎたくて仕方が無いんだ。

これはイヌが生きていくために必要な本能
なんだ。

イヌは人間と違う生き物なんだよ。

人間はそれが分かっていないらしい。

お母さんは、色々喋りかけてくれたけど、
何を話しているかは分からなかった。

声のトーンで僕は判断するだけなんだ。

優しい声だから嬉しい。

厳しい声だから大人しくしていよう
と思うだけ。

言葉の意味が分かっていたわけじゃない。

だからゴールデンレトリバーを追っ払った時も
何故お母さんに叩かれたのか分からなかった。

人間も僕達イヌと一緒に暮らすには僕達のこと
もっと理解して欲しい。

僕達は、人間のことが大好きなんだよ。

でも、どう接していいか分からないだけなんだ。

もっと色々教えて欲しい・・・

今度のお母さんは色々教えてくれるかな。

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