インパルス・コントロールを培う その1(連載1回目)

      2016/08/11

犬にとってのハッピー・ゾーンを作れ!

文と写真 藤田りか子

001header-imageただ、手を差し出して犬にトリーツを与えるというのは、犬の目線からすると飼い主としての面白さは、半減…
おもちゃ遊び と言っても、毎回引っ張りっこをする遊びだけ、ではあまりにもバリエーションに乏しすぎる。マンネリ化はトレーニングの敵だ。おもちゃと言っても、それを使う遊び方にはたくさんのバラエティがあっていいはずだ。それら、一つ一つをトレーニング・ツールにしてゆく。例えば、レトリーバーに限らず、おもちゃやボールをこちらに持ってきてもらう、という基本動作が付いていれば、さらに、遊び方のバリエーションが増える。

「そして遊びながら、犬が人について行く、という癖をつけさせます。でも、人が犬について行っているようでは、ダメですよ! 」

これはエヴァさんが前回日本でのセミナーでも何度も述べていたことだ。人間の周り、それも腕の長さ範疇が、犬にとってハッピー・ゾーンとなるようにするには、どうしたらいいのか。
それには、犬が人間のすぐ側 へ惹きつけられるよう、トレーニング。呼び戻しの訓練の時に後ろに下がることで犬が寄ってきやすくなるということを知っている人も多いだろう。ただし、意外に、日常暮らしている時に、それを実行しているか、というとそうとは限らない。

「トリーツを与える時、おもちゃを与える時、手を伸ばして目の前に座っている犬に、『はい』とつ立ったまま渡していますね。じゃなくて、どうにかしてそれを手に入れようと、 犬に努力をさせること。目の前でポンと渡すのではなく、自分も後ろに動く。おやつを持ったままです」

できるだけトリーツやおもちゃを持った手を自分の体の方へ引き寄せて、それを犬に追いかけてもらいながら取らせる。ただ、与えているだけだと、犬の見地からは、人間は「おもちゃ/おやつ供給マシーン」になりかねない。追いかけてそばに行きたい、魅力のある存在になるためには、人は犬から絶えず「逃げている」状態でなければならない。そしてやっとご褒美を手にするときも、それは人間の体のすぐそばで!
人間の体周りこそ、犬にとってのハッピー・ゾーン。そして犬はいつも、そのハッピー・ゾーンへ入りたがっている。この態度が犬から欲しい!ハッピーゾーンを作ること、これが実はインパルス・コントロールの大事な基礎につながります。

さて、次回では、そのハッピーゾーン作りをするエヴァさんの動画を紹介します。
何も、難しいトレーニングは必要はなし。犬との遊びを通して作ってゆくのですね。
彼女の犬とのやりとりは必見です。乞うご期待!
北欧メガセミナー2016

動物愛護先進国である北欧スウェーデンから、藤田りか子さんをはじめ、BLOGにも登場されている
エヴァさん、イェシカさん、バルブロさんが来日します!
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