ショート小説「ドッグトレーナーになろう」30代 OL

ショート小説 「ドッグトレーナーになろう」
30代 O L
=======

今日は飲み会
同じ課で働く同僚の寿退社が決まった
今日はそのお祝いに同じ課のスタッフが近所の居酒屋で祝杯をあげる

これでこの課には、30代女子はわたしだけになってしまった

周りでは私のことを「お局さま」と呼んでいるらしいが、そんなことはどうでもよい

私だって結婚して幸せになりたいが、なぜか縁が無い

自分でもそれほど器量が悪い訳ではないと思っているのだが
いつかは星の王子様を見つけて幸せな結婚生活を送りたい

しかし相手がいなければその夢もかなわないではないか・・・

 

最悪一生仕事をしながら老後に備えるしかないか


それならば、この職場で一生働くことは無理!
毎日同じギャグしか言わない上司の下で、毎日同じ仕事の繰り返し

もっと私の心が喜ぶような仕事がしたい

どうしたら心がときめくような仕事が見つかるのだろう

そうだ、雑誌で「自分らしく生きる仕事」特集をやっていた

 

早速、雑誌を買ってみてみると、雑誌には色々な仕事の特集が組まれていた

ネイリスト、エステシャン、インテリア
コーディネーター、ヨガインストラクター

どれも自分にはしっくり来ない

ブライダルコーディネーターは絶対無理!

ペット・・・ペット?

そうだ!私はペット、それも犬が大好きだった

子供の頃、よく子犬を拾って帰って父に叱られた

すぐに返してきなさいと言われ、かわいそうで空き地にダンボールで家を作って
そっとえさをやりに通ったこともあった

 

あの頃の思いが鮮明に蘇ってきた

そうだペットの仕事を学ぼう!

 

ペットの仕事はどんな仕事があるのだろう

トリマー、看護士、ドッグセラピスト、
ドッグトレーナー ドッグマッサージ

色々な仕事がある

 

この中から自分にあった仕事を見つけ出す必要がある

 

そのとき私は数年前に同僚と行ったイギリスで見たお利巧な犬たちを思い出した

飼い主がデパートで買い物をしている間、
繋がれることも無く入り口でずっと飼い主を待っていた犬
普通に地下鉄に乗り、飼い主の足元で大人しく伏せている犬
公園で自由に走り回る犬達、そして、呼ばれれば直ちに飼い主の下へ走っていく犬

こんなに忠実な犬もいるんだ
しつけをすればこんなにお利巧になるんだと感心したものだ

 

そういえば最近近所に子犬の保育園ができた

 

「へ~犬も保育園に行くんだ」とそのときは関心はしただけだったが、
毎日子犬に囲まれた仕事も悪くない

 

いや、絶対に楽しい

 

そうだ、ドッグトレーナーになろう

 

ドッグトレーナーになって、自分の犬を飼おう


-----

※登場人物は架空の人物で特定の

団体、個人とは一切関係ありません

-----