クリッカートレーニング  シェーピング

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ドッグトレーナーのお仕事

タイトル

クリッカートレーニング3
シェーピング

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本題

昨日は、クリッカーの使い方でキャッチングと
プロンプティングについてお話してきました。

今日はクリッカートレーニングの中で一番
理解するのが難しい(汗)シェーピングを
ご紹介しましょう。

シェーピングとは犬が自発的に行う行動に対して
進化した行動を捉え(分化強化スケジュール)
強化していくトレーニング方法です。

キャッチングに似ていますが、キャッチングは
犬がお座りなど、こちらが最終的に望んだ行動を
行ったときに行います。

シェーピングは、こちらが望む最終的な行動に近い
行動を犬が行ったときにクリッカーで強化し、
徐々にこちらが望む行動に近づけていく方法です。

例えば、「伏せ待て」を教えるときに、最初に
犬にお座りのコマンドを教えます。

犬が座った瞬間にクリッカーを鳴らし、
行動を強化し「お座り」を基準の行動とします。

そして犬が偶然に下を見たときにクリッカーで
行動を捕らえ強化します。

ここで注目して欲しいのは「伏せ」の行動ではない
行動を強化していると言うことなのです。

実際には「伏せ」に近い行動を強化しています。

何回か同じように下を見る行動を強化すると
犬は「下を見ると良いことがあるぞ!」
と学習します。

ですから犬はよく下を見るようになるのですが、
下を見る行動が定着してきたら今度はただ下を見た
だけでは強化しないようにします。

すると犬は「ん?この行動は違うのかな」と
考え始め、「地面の匂いをかぐ」へと
行動を進化させることがあるのです。

今度は犬が、地面の匂いだ瞬間にクリッカーを
鳴らして行動を強化していきます。

これを繰り返すと犬は地面の匂いを頻繁に
嗅ぐようになります。

そして先ほどと同じように、「地面の匂いをかぐ」
行動が定着してきたら、「地面の匂いをかぐ」
だけでは行動を強化しなくします。

するとまた犬はまた、「この行動は違うのかな?」
と勝手に考え、行動を進化させ「伏せ」の行動を
とる可能性が出てきます。

このように「伏せ」の行動に近い行動を
強化して行くことによって最終的に「伏せ」の
行動を導き出すことが可能になってきます。

実際にはもっと細かい段階を踏んで
強化していきますがちょっと分かりやすく
書いてみました。

しかし、シェーピングでは犬の自発的な行動を
待ちますので、もの凄い忍耐力と犬の行動を捉える
練習が必要になってきます。

ですから、私達はよく、プロンプティング(誘導)と
シェーピングを組み合わせて使うことが多いのです。

例えば、犬の鼻におやつを差しだし、少しだけ
下を向くように誘導します。

犬が下を向いたらその瞬間を捕らえてクリッカーで
強化します。

今度はもう少し下を向くように誘導し、
さっきよりも犬の顔が下がったら、その行動を
強化します。

次は犬のひじが少しだけ曲がったらクリッカーで
強化し、最終的に「伏せ」の行動を導き出します。

実際にはこの方法の方がはるかに犬の行動を早く
引き出すことができますのでシェーピングを
単体で使うよりも実用的と言えるでしょう。

いかがだったでしょうか!

クリッカートレーニング、言葉にするととても
難しそうですね!

しかし、クリッカーは体で覚える方が遥かに
簡単です。

そしてとても楽しい時間を犬と共有することが
できます。

貴方の犬のトレーニングに是非クリッカーを
取り入れてみてください。

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