訓練所で5年間の修行をしたのち35歳の初夏、森山は独立をしました。
まず、最初に移動用の車を購入する必要がありました。
その頃はパソコンはまだ普及していませんでしたので、検索して安い車を探すこともできませんでした。
ですから森山はカーセンサーを買い、近所の安い中古車屋さんを探したのです。
そして15万円の軽自動車を10万円に値切り買入しました。
さて、独立したら、当たり前ですが、営業をしないとお客さんは来てくれません。
訓練所に勤めていた時は、お客さんは向こうから来てくれましたので、ほとんど営業をした覚えがありませんでした。
当時の森山は、営業活動などはやったことがなかったのです。
蓄えはそれほどありませんので、なるべくお金をかけないで営業を考えなければなりません。
そこで森山が何をやったかと言いますと、殆どの人が考える行動「ポスティング」を行ったのです。
まだまだパソコンが普及していない時代ですから知り合いからワープロを借りて、1枚だけチラシを作ります。
パソコンも普及していない時代ですのでもちろん今のように家庭用のコピー機もありません。
ですから、コンビニで1枚10円でコピーを取るのです。
森山は
来る日も来る日もコンビニでチラシを作ってはポストへ投函しました。
独立した当初はお金はないけど時間はたっぷりあります。
初夏の太陽が照りつける暑い日だったことを覚えています。
麦わら帽子をかぶって犬の沢山いそうな場所を探してはポスティングを行ったのです。
その結果がどうだったか、ポスティングをやったことがある人は分かると思いますが、全くレスポンス・・・・・なしです。
後から知ったことなのですが、ポスティングの反応率は0.02パーセントほどだそうです。
1000枚撒いて2件レスポンスがあるかないかの世界です。
毎日森山が一人で一生懸命ポスティングしても殆どレスポンスは得られない世界なのですね。
そこで森山は方法を変えました。
今だから告白しますが、この方法は実は違法ですので絶対にマネしないでくださいね。
あるとき信号待ちをしていたら電信柱に英会話教室のチラシが貼ってあったのです。
そのチラシは、ちぎって持っていけるように下のほうにタコの足のように切れ目が入れてあり電話番号が書いてありました。
森山は、これだ!と思い、同じものを作成して犬が散歩しそうな遊歩道とか公園の周りの電信柱にチラシを貼りまくったのです。
これは効果がありましたね~
大体100枚ぐらい電信柱に貼ると1件は電話がありました。
お客さんが一人、また一人と増えていったのです。
こんなこともありました、あるとき、電話が鳴り、「チラシの件で・・」と言うではないですか、お、お客さんかな!
喜んだのもつかの間、相手は「困るんだよね、電信柱にチラシ貼られると」なんと公園事務所から苦情の電話でした^^
そんなことにもめげず?森山は頑張ってチラシを張っていったのです。
そのうち少しずつドッグトレーニングの仕事も増え毎日のチラシ貼り活動が、徐々にトレーニングをする仕事に変わっていったのです。
森山は徐々に独立してやっていく自信をつけていきました。
次回に続く