ショータイプ?フィールドタイプ?

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ドッグトレーナーのお仕事

タイトル

ショー系?フィールド系?

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本題

前回はフィールドタイプとショータイプの違いをお話しました。

同じ犬種でもショータイプは姿かたちを重視した犬種、フィールドタイプは作業能力を重視した犬種でした。

日本では一部ラブラドールレトリバーのフィールドタイプが稀に見受けられますが、殆どの犬がショータイプの子のようです。

以前も書きましたが、日本では犬種図鑑に出てくる犬と同じ形、同じカラーじゃないと周りに何の犬種か分かってもらえないからショータイプの子が多いのではないかと思います。

本来、犬という動物は

本来、犬は独自の仕事をするために作られました。

ゴールデンレトリバー等のレトリバーは、打ち落とした鳥を回収する作業をするために作られました。

人間と100m離れた所でもちゃんと人間の指示通りに動き、的確に打ち落とされた鳥を回収するように作られたのです。

ミニチュアダックスフントは穴の中の獲物に威嚇して穴から追い出す仕事をするために作られました。

そしてミニチュアダックスフントに追い出された獲物を上から狙っていたハンターが仕留めます。

このように犬と人間は共同作業をしていたのです。

こんな感じで森山は愛犬と一緒にガンドッグという競技に参加します

ドッグショーの始まり

そして、その能力を十分に引き出すために骨格や被毛のスタンダードが決められました。

例えば骨格は一日中野原を駆け巡っても疲れない骨格が求められ、被毛は棘から皮膚を守ったり、体温を逃がさないための被毛が求められました。

そしてその犬種を後世に残すために、よりスタンダードに近い犬の保存が行われました。

それがドッグショーの始まりです。

補足

世界三大ドッグショーとして有名なCruftsは1891年より始まり、現在(2025年時点)では毎年 20,000 人以上の参加者と数十万人の来場者を集め、世界中のテレビ視聴者に放送されています。

参考:https://crufts.org.uk/

犬本来の姿が一番美しい瞬間

しかし、時の流れと共に、ドッグショーは犬の能力よりも容姿を重視する傾向が強くなってしまいました。

より美しい姿、被毛がつやつやと輝いている犬、などドッグショーはドッグショーで1つのワールドを形成し、ハンドラーはドッグショーでチャンピオンを取ることが目的となっていきました。

その結果、犬の作業能力は二の次になってしまい、犬に犬本来の作業をさせているハンドラーはドッグショーとはかけ離れた作業能力の高い独自の犬を作り出すようになったのです。

そして犬達は同じ犬種であってもショータイプとフィールドタイプの2種類の犬が出来上がりました。

イギリスでは殆どの犬がショータイプとフィールドタイプに分かれます。

犬のスタンダードを残すために発達したドッグショーだったのですが、結果2種類の犬を作ることになってしまいました。

森山の愛犬ボイシーはイギリス生まれの純粋なフィールドタイプです。

ですからショータイプのゴールデンレトリバーとは似ても似つかない容姿なのです。

森山は犬は犬本来の仕事をしている姿が一番美しいと思います。

だってその仕事をするために作られたのですから。

だから森山は日本でレトリバーのためのガンドッグ競技をやっているのです。

補足

ガンドッグ競技とは撃ち落とした鳥を素早く回収するだけでなく、ハンドラーがしっかりとコントロールすることが求められる競技です。