パピーナーサリー(子犬の保育園)

---------------------------------------------

ドッグトレーナーのお仕事

タイトル

パピーナーサリー(子犬の保育園)
---------------------------------------------

本文


森山は独立当初、出張トレーニングを
主に行っていました。


独立当初は保護団体さんのお手伝いで
新しく里親になられた飼い主さんに
しつけの方法をお伝えしたり、


ボランティアで保護犬の散歩やお世話をしている
小学生にクリッカートレーニングを教えたり
していました。


森山は殺処分される犬達を
一頭でも救いたい気持ちで、保護活動をされている
方たちのお手伝いをしていたのですが、



イギリスのシェルターを見学したときに、何か違う
と感じてしまったのです。



毎日10頭前後の犬達がシェルターに集められ
毎週末100頭前後の犬達が新しい飼い主さんに
貰われていくイギリスのシェルター。



「それって犬のリサイクルセンター?」



と思ってしまったのです。


イギリスと言えども犬を捨てる飼い主が
後を絶たないのが現状です。



しかし、捨てる神あれば拾う神ありでほぼ同数の
新しい飼い主が現れるのは不思議です。



現にイギリスのシェルターは常時数百頭の犬達が
暮らしています。



日本では、イギリスのようなシェルターは殆ど無く
個人の方が数頭づつご自宅で保護をされている
ケースが多いようです。



当たり前ですが、全ての犬達をボランティア個人の
自宅で保護することは不可能です。



年間に殺処分されるペットの数は28万頭



森山の記憶では15年ほど前は年間70万頭の
ペットが殺処分されていました。



15年前から比べるとかなり減っています。



減っているとはいえまだ1日800頭近い数の
ペットが殺処分されているのが現状です。



そのうち犬は8万頭です。



8万頭の内、問題行動で殺処分される数が31%



その数、年間で2万4千頭



森山は長年、出張トレーナーをやってきましたが、
その経験から、問題行動の殆どは
社会化不足からきていると考えています。



社会化さえしっかりしていれば2万4千頭の犬達の
命は救えたのかもしれません。



今は、里親ボランティアさんたちが頑張っていて、
新しい飼い主さんが付いてくれそうな犬は
保健所から救い出してくれます。



しかし、救い出せるのは社会化された人懐っこい
犬達だけです。



人に噛みついたり、犬と仲良くできない子は
救い出しても新しい飼い主さんは見つかりません。


ですから、とにかく社会化さえされていれば、犬達は
殺されずに済む可能性が出てくるのです。



お手とか、お座りができなくてもいのです。



社会化はしつけ以前の問題なのです。



森山は日本に子犬の社会化を絶対に定着させなければ
と考えるようになりました。



「そうだイギリスで見てきた施設をやろう」


イギリスで見てきた施設は、子犬に
特化しているわけではなかったのですが、怖がりな
犬達が集められ、日中、共同生活をすることにより
犬や人に馴れさせるトレーニングをやっていました。



森山は「この施設は絶対に日本に必要だ」と
考えていたのです。


パピーナーサリー(子犬の保育園)を沢山作って、
子犬を飼ったらパピーナーサリーに入れることが
当たり前の世の中になれば社会化不足で
殺処分される犬達は相当減るはずです。


そして、森山の取り組みは始まりました。


明日に続きます。


----------------------------------------------

-----