人のあくびが犬にうつる!~あくびからヒト-イヌ間の共感性を探る~
こんにちは。プレイボゥドッグトレーナーズアカデミー事務局の大竹です。
寒い日が続きますね。私にとっては暖房器具はもちろんブランケットも手放せない季節となってきました。実家の犬達は、暖房器具の前を陣取り、ふかふかクッションの上で気持ちよさそうに寝ています。
さて、今日はそんな眠気のお話から、「人のあくびが犬にうつる」という研究をご紹介したいと思います!
なぜ「あくびがうつる」のか?
この研究は2013年にオンライン科学誌「PLOS ONE」に報告されたものです。
皆さんにも、人があくびをしているところを見てあくびがうつった、という経験はありませんか?
その「うつるあくび」は「伝染性のあくび」とも言われています。あくびがうつるのは、相手に対する共感や関心が根底にあると考えられています。
実際に、「伝染性のあくびは、見知らぬ人のあくびよりも親しい人のあくびのほうがうつりやすい」ことがすでに明らかになっています。
また、人だけでなく、チンパンジーなどの霊長類でも、他者のあくびが伝染することがわかってきているそうです。
では、なぜそこで【人】と【犬】のあくびが注目されたのでしょうか?
ヒト-イヌ間のあくびが注目されたワケ
現代の犬は人とともに生活を送っています。その分人との関係は密接で、他の動物とは一線を画していますよね。そういった面から、人との犬の関係性というのは、「異種間の共感能力を調べるためのモデルとして最適」と考えられているようです。
そして研究の結果、人があくびの動作を見せることで犬のあくびが誘発されること、見知らぬ人のあくびよりも飼い主のあくびを見たときに、より多くの伝染性のあくびが生じることが、明らかになったそうです!
しかし、ここで一つ疑問が…
犬はストレスを感じたときもあくびをする動物です。
「犬があくびをしているのはあくびがうつったわけではなく、ストレスを感じているからではないか?」と思われた方もいるかもしれません。
“うつるあくび”はストレスによるものではないことが証明された!
今回ご紹介の研究がなされるまでは、人のあくびが犬にうつったとしても、それが伝染性のものなのか、ストレス性のものなのか、十分な結論に至っていなかったそうです。
しかしこの研究は、犬に心拍計を装着して心拍のデータをとっています。
そしてそのデータから、『飼い主のあくびを見ている場合と、見知らぬ人のあくびを見ている場合とでは、イヌの心拍変動の数値に差がない』、つまり『犬の不安やストレスレベルは、あくびの動作を見せている人が飼い主か見知らぬ人かによって変化しない』ことが示されたそうです!
この点が、今までの研究にはなかった新しい成果なのだそうです。
種を超えた人と犬の共感性
つまりこの研究は、人と犬という異種間であってもあくびがうつることや、
その現象には犬と飼い主の感情的な結びつきが重要であることを示唆しているのです。
種を超えた、人と犬の間の共感性。犬好きからするとなんとも嬉しい結果だなぁと思いました^^
愛犬がいる方は、ご自身があくびをしたときに愛犬もあくびをしていないかチェックしてみてくださいね~!