鉄のお母さんはお母さん?
こんにちは。
プレイボゥドッグトレーナーズアカデミー事務局の佐藤です(´▽`*)
本日のタイトルは「なんだ?!」「どういうこと?!」と気になった方が多いのではないでしょうか?
今回はある動物を用いた母親とその子供がどういった点から愛着を形成するのか、またその愛着が形成されないとどうなるのか・・・というお話を。冒頭から犬の話ではありませんが、しっかりと犬の話に通じる内容をお届けしますのでご安心ください!(笑)
母親と子供の愛着はどう形成されるのか?
皆さまは「母親」とその子供の愛着はどう形成されるのか、考えたことがありますか?
仮に犬で置き換えて考えるならば、「犬の飼い主」は愛犬とどう関係性(ここでは愛着)を形成するのかといった感じでしょうか。
・お乳(ご飯)をくれる存在?
・女性が母親?
・体温の暖かさが必要?
などなど、様々考えることができると思います。
愛着とは
まずは、愛着とは…というところから。
簡単に言うなれば“他人や動物などに対して築く特別の情緒的な結びつき”を指します。
(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E7%9D%80)
ジョン・ボウルビィ(John Bowlby)が唱えた愛着理論では「子供は社会的、精神的発達を正常に行うために、少なくとも一人の養育者と親密な関係を維持しなければならず、それが無ければ、子供は社会的、心理学的な問題を抱えるようになる。」と言われています。
つまり愛着の形成が不完全であれば、その子供に何らかの影響があるかもしれない、ということです。
ハーローが行ったアカゲザルの実験
そこで、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカの心理学者であるハリー・フレデリック・ハーロー(Harry F. Harlow)は、アカゲザルを用いた実験を行いました。(最初にお伝えしておきますが、倫理の観点から批判的な意見も大きかったようです。。。)
産まれて間もないアカゲザルを本当の母親から引き離し、次の2つのパターンの代理母に触れ合わたり、引き離したりする実験です。
・ワイヤーマザー
→針金で作られたの母親
→ミルクが飲める哺乳瓶が付いている
・クロスマザー
→柔らかい針金で作られた母親
→布で覆われヒーターによって体温に近い暖かさ
→哺乳瓶は付いていない
当時の心理学では、ミルクを提供してくれるワイヤーマザーに愛着を示すを考えられていましたが、アカゲザルの子供は明らかにクロスマザーに接触をする時間が有意に長かったという結果でした。
アカゲザルのその後・・・
この結果からハリー・フレデリック・ハーロー(Harry F. Harlow)は、クロスマザーが正常な愛着形成につながると考えましたが、ワイヤーマザーやクロスマザーを接触していたアカゲザルは次第に自傷行為や攻撃行動を示すようになったと言われています。
その後、正常な成長を促すためには何が必要かといった実験を行い、代理母を揺らしたり同年代の仲間と遊ばせる等することで、正常な成長を促すことが出来たそうです。
参照:https://furerumedia.com/aichaku01/
参照:https://psycholocozy.org/archives/4175
これらの結果から愛着形成は食事ではなく、ぬくもりや母親から子に対する愛着行動が必要だということが分かりました。
もちろんこれは「母親」が一番望ましいそうですが、養育者という1人との間に愛着が形成されると良いとされていたり、複数人と形成しても良いという意見もあるそうです。
犬においても
今回はアカゲザルの話でしたが、犬でも母子間の関わりが重要であるとも考えられています。
少し長くなってしまうので、過去にスタッフが書いたブログでご紹介させてください!
◆面倒見の良いお母さん
https://playbow-dogtrainers-academy.com/35696.php
いかがでしたか?
動物種が異なるためぴったり当てはまる!ものではないかもしれませんが、通じる部分や似ている部分があるのでは?と佐藤は考えます。
せっかく出会ったご縁のワンコと、良い関係性を築いて過ごしたいものです。
疲れていたり、何か嫌なことがあってもワイヤーマザーやクロスマザーにならないように、常日頃素敵な愛着を提供できる存在でありたいですね(*^-^*)!